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予防に努め、正しい対処を「ノロウィルス」について

冬期に多発するノロウィルスについて、その特徴と対処法を重城病院院長の重城明男先生にお聞きしました。
本年は例年よりノロウィルスが多発しているようです。予防に努めると共に、発症した場合にも正しい対処による早期回復と二次感染に注意し、この冬を乗り切りましょう!


▽特徴 
乳幼児から高齢者に至る広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こすウィルスで、下痢だけでなく嘔吐も多く発症します。
年間を通して発症しますが、主に11月〜3月の冬期に多発します。
アルコール、高温、乾燥や酸に対する抵抗性が強く、水中でも長時間生きることができるウィルスです。
一度感染しても何度も感染します。

▽感染ルート 
ほとんどは経口感染 で、感染者のウィルスが含まれる嘔吐物が床に残って乾燥し、ホコリと共に空気中に舞い上がり感染が広がります。
その他、調理時にウィルスに汚染された食品、感染した貝類(特に二枚貝)などの摂取により感染する場合もあります。

▽潜伏期間と症状 
感染から発症まで24時間〜48時間です。主な症状は吐き気・嘔吐・下痢・腹痛、熱は軽度(38度以下)、症状は通常であれば3日ほどで治ります。免疫力の低下した老人・乳幼児は長引くこともあります。
激しい嘔吐・下痢による脱水症状や塩分不足に注意が必要です。

▽治療法 
ノロウィルスには有効な抗ウィルス剤はありません。
脱水症状や体力の消耗を防ぐため、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。症状がひどい場合は病院で点滴をしてもらいましょう。
※無理に下痢を止めるとウィルスが腸管内に留まり病気の回復を遅らせることもありますので、強い下痢止めの使用は控えましょう。

▽予防法
食事の前やトイレの後はしっかり手洗いをしましょう。また、タオルなどの共用を避け、下痢・嘔吐等の症状がある方は食品を取扱う作業をしないようにしましょう。
食品中のウィルスは加熱により感染性をなくすことができるので、中心温度85度以上で、1分間以上加熱しましょう。

▽二次感染を防ぐには 
ウィルス感染者の便にはしばらくウィルスが残ります。
トイレ掃除や汚物処理の際には必ずビニール手袋を使用しましょう。
嘔吐物の処理の際にもビニール手袋を使用し、ウィルスに直接触れないように注意すると共に、汚染された場所は塩素系消毒剤(市販の漂白剤を50〜100倍に薄めたもの)でよく拭きましょう。


(情報提供/重城病院)